朝井リョウ「正欲」でひとりごと(ネタバレ有)
先日朝井リョウさん作の「正欲」を読み終えました!
一言で言うと「衝撃」でした、、、
一気読みしちゃうくらいめちゃめちゃ面白くて続きが気になる作品だったんですけど、同時に地獄みたいな気分になりました、、( ◠‿◠ )
では、あらすじ・感想を語っていきます!
あらすじ
自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな――。息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繫がりは、“多様性を尊重する時代”にとって、ひどく不都合なものだった。読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。
【公式サイト引用】
感想
本作は「水」が性的対象で「水」に興奮する特殊性癖を持つ人々にスポットが当たった物語です。
性的対象は異性もしくは同性の人がこの世にはほとんどだと思いますが、「水」が性的対象という普通に生きていたら想像もできないような人々の苦悩の日々が描かれていました。
・この変わった性癖を絶対に人に知られてはいけないので全力で隠さないといけない
・そもそも「人」が性的対象じゃないから、多くの話が共感できないけどバレてはいけないので分かるフリをしないといけない。(恋愛・結婚・家族・下ネタ・クリスマスや年末年始などの季節行事の話など)
・本音で話せないから誰とも深い友達にはなれない。
・歳をとっていくと親から心配され社会からも変な目で見られる。
こういった苦しさを常に抱えて生きていかなければならないそうです。
自分だったら耐えられません、、
今まで「水」に興奮する人がいるなんて想像もしていなかったですが、こういった変わった性癖を持つ人はたくさんいるということにとても驚きました。
風船などに興奮するラバーフェチ、ミイラみたいにぐるぐる巻きにされている状態に興奮するマミフィケーションフェチ、何かが丸呑みされる状態に興奮する丸呑みフェチなど、色々な人がいるということを知りました。
物語では、そういった苦しんでいる人の隣に「多様性」の大切さを説く人々が度々現れます。
私の印象に残ったのは、水フェチの性癖を持つ「諸橋」と多様性を認める社会を目指す「八重子」の二人の大学生の話です。
八重子は諸橋がゲイだから周りと馴染めず孤立しているのかと勘違いし、「私は受け入れるから」のような態度で諸橋に近づきます。
その態度は諸橋にとって超大迷惑で、自分が受け入れられるものだけに手を差し伸べていい気分になりやがって、と言い合いになります。
このように近年「LGBTQを認めよう」「多様性の時代」などの風潮がありますが、本当に「多様性」を認めるということは自分たちの想像もしない性癖すらも認めるということです。
つまり小児性愛者や人を殺すことが性癖の人だったりも認めなければならないということです。
特殊性癖を持つ人にとって現代のこの風潮は綺麗事ばっかり言いやがって矛盾しやがって、、という気持ちになるよな、、と思いました。
本当の意味での「多様性」を認めるべきかについて自分でも考えましたが答えは出なかったので、とりあえず今は自分で認められる多様性(同性愛者・水フェチ・ラバーフェチなど)だけ認めて、身内や周りにあまり認めたくない多様性(小児性愛者・流血フェチ)などの人が現れた時にまたどうすればいいか考えよう、ということで一旦考えることをやめました。
まとめ
読んでみて、正直自分は一般的な性癖で生まれて来れて良かったなと思いました、、
でも将来自分の子どもがそのような可能性もありますし、、なんかもう考えるの大変だなと思いました、、
とはいえ本自体はめちゃめちゃ面白かったのでぜひ読んでみてください!!!
この本の宣伝で「読む前の自分には戻れない」とありますが本当にまさにそうだと思います!!
11/10(金)から映画も上映されるので観てみようと思います!
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